G検定に合格するための基礎学習|人工知能の概要・歴史・問題

G検定の学習で人工知能と聞かれて、正直「いきなり何の話?」と思った方もいるかもしれません。

G検定の勉強を始めたばかりだと、「機械学習」「ディープラーニング」「エキスパートシステム」……

はやたす

専門用語が次々と出てきて、何から理解すればいいか分からなくなりますよね。ただ、正直に言います。

「人工知能とは何か」は、G検定で合格するうえで最も重要な土台の1つです。なぜかというと、G検定は「AIをビジネスに活用できるか」を問う試験だからです。

活用するためには、そもそもAIがどんな技術で、どんな種類があって、どんな歴史を経て今に至るのかを理解していないと、個別の知識がバラバラになってしまいます。

はやたす

逆に言えば、本記事で人工知能の全体像をつかんでおくだけで、以下の状態になれます。

  • 機械学習とディープラーニングの違いがスッと理解できる
  • AI効果・エキスパートシステムなど頻出用語の意味が文脈ごと頭に入る
  • 試験本番で「あ、これあの話か」と繋がるようになる

難しい数式は一切出てきません。読み終わる頃には「人工知能ってこういうものか」という全体像がつかめるようになっているはずです。

「そもそもG検定をどう勉強すればいいか分からない」という方は、まず【10日間で合格】G検定の学習ロードマップ4ステップをチェックしてみてください。

監修者:はやたす

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目次

人工知能とは

G検定資格試験に10日間で合格するためにも、まずは人工知能について理解していきましょう。

実は明確な定義が定められていない

「人工知能とは何か」という問いに対して、実は100%正しいとされる定義は存在しません。

研究者によって意見が分かれており、代表的な定義を並べると次のようになります。

研究者定義
ジョン・マッカーシー(AI命名者)知的な機械やコンピュータープログラムを
作る科学と工学
松尾豊教授(東京大学)人工的に作られた人間のような知能、
ないしはそれを作る技術
中島秀之学長(札幌市立大学)人工的に作られた知能を持つ実体、
あるいはそれを作ろうとすること

言葉は似ていますが、「これが唯一の正解」という定義は存在しません。1+1=2のように明確に決まっているわけではない、というのが人工知能の特徴的なところです。

一般的な解釈

定義はさまざまあるものの、一般的には次のように解釈されています。

人間と同じような知的な処理をコンピューターで実現するための技術

ここでいう「知的な処理」とは、具体的には以下の3つを指します。

  • 推論:情報をもとに結論を導き出す
  • 認識:音声・画像・テキストなどを理解する
  • 判断:状況に応じて適切な行動を選ぶ

人工知能の最初の定義

人工知能という言葉が生まれたのは意外と古く、1956年のことです。

アメリカで開催された「ダートマス会議」において、ジョン・マッカーシーによって初めて命名されました。この会議で人工知能が正式な学術分野として認められ、本格的な研究がスタートします。

ChatGPTのような生成AIが登場したのはここ数年の話ですが、AIの歴史は約70年にも及びます。

人工知能とロボットの違い

「人工知能」と「ロボット」はよく混同されますが、実は異なる概念です。

人工知能ロボット
正体ソフトウェア(脳)ハードウェア(身体)
特徴物理的な体がなくてもよい物理的な身体を持ち外部に働きかける

人工知能はロボットの「脳」にあたる部分です。一方ロボットは物理的な身体を持ち、外部に働きかける「体」の部分になります。

はやたす

つまり、ロボットの身体(ハードウェア)+人工知能の脳(ソフトウェア)が組み合わさったものが「AIロボット」です。

分かりやすい例がペッパーくん(2014年登場)です。外側の身体がロボットで、その頭脳部分に人工知能が搭載されています。ソフトバンクショップなどで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

補足:AIエージェントとは

人工知能を語るうえで、最近よく耳にする「AIエージェント」についても触れておきます。

AIエージェントとは、自律的に入力から行動(出力)を決定する人工知能のことです。

通常のAI(ChatGPTなど)との違いを整理すると、次のようになります。

通常のAIAIエージェント
人間がやること入力・計画・指示目的を伝えるだけ
AIがやること出力計画→行動→完結まで自律的に実行

たとえばChatGPTに「会議の議事録を作って」と伝えるだけでは精度が上がりません。今日決まったこと・来週までのアクション・概要の3項目を含めた形式で作ってと具体的に指示する必要があります。

一方AIエージェントは、議事録を作っておいてと目的だけ伝えれば、何が必要かを自分で考えて行動まで完結させてくれます。

はやたす

Genspark・Manusなどのツールを試すと、このイメージがつかみやすいです。

人工知能の4つの分類

人工知能は、能力・仕組みによって4つのレベルに分類できます。

レベル種類概要具体例
レベル1単純な制御プログラムあらかじめ決められたルールに従って動作するエアコン・洗濯機・電気シェーバー
レベル2古典的な人工知能探索・推論・知識データを使い複雑な判断をするお掃除ロボット・診断プログラム・ルールベースチャットボット
レベル3機械学習を取り入れたAI大量のデータから法則やパターンを発見する検索エンジン・交通渋滞予測・ネット広告の最適化
レベル4ディープラーニングを取り入れたAI特徴量をデータから自動抽出できる画像認識・自動翻訳・自動運転

エアコンや洗濯機もAIの一種だと聞いて、驚いた方もいるかもしれません。これらはレベル1の「単純な制御プログラム」に分類されます。

レベル1:単純な制御プログラム

あらかじめ決められたルール(条件分岐)に従って動作します。

たとえばエアコンの自動温度調整は、「部屋の温度が〇°以下になったら設定温度を△°にする」というルールが組み込まれているだけです。

はやたす

シンプルですが、これも立派な人工知能の一形態です。

レベル2:古典的な人工知能

探索・推論・知識データを活用して、状況に応じた複雑な判断ができるようになります。お掃除ロボットが部屋の構造を把握しながら動き回るのが、わかりやすい例です。

レベル3:機械学習を取り入れたAI

機械学習とは、大量のデータからコンピューターが法則やパターンを発見する方法です。

具体例として、アイスクリーム屋の売上予測を考えてみます。

  • 入力:日付・天気・気温・店前の人通り
  • 出力:アイスクリームの売上予測

このとき「何のデータを入力するか」の選択が非常に重要です。入力に使うデータのことを特徴量といい、特徴量の選び方次第でモデルの精度が大きく変わります。

レベル4:ディープラーニングを取り入れたAI

ディープラーニングは、人間の脳構造を模したアルゴリズムです。

レベル3の機械学習との最大の違いは、特徴量をデータから自動的に抽出できる点です。

機械学習(レベル3)ディープラーニング(レベル4)
特徴量人間が選ぶ必要があるデータから自動で抽出できる
得意なデータ構造化データ(表形式など)非構造化データ
(画像・音声・テキスト)
活用例売上予測・渋滞予測画像認識・自動翻訳・自動運転

ディープラーニングの登場により、「この画像は犬か猫か」「この文章を英語に翻訳すると」といった処理が精度高くできるようになりました。

AI効果

「AI効果」という言葉は、G検定だけでなく、データサイエンスの分野でも必要になるので、事前に理解しましょう。

AI効果とは

AIが新しいことを実現できるようになっても、その仕組みが分かると「単なる自動化であって、知能とは関係ない」と感じてしまう人間心理のことをAI効果といいます。

簡単に言うと、AIでできることが「当たり前」「普通」に見えてしまう現象です。

具体例

技術登場当初の認識現在の認識
文字認識(OCR)手書き文字を読み取るには
高度な知能が必要
スキャナーやスマホの
標準機能で当たり前
ルート検索最適経路を瞬時に導き出すのは
驚異的な技術
Googleマップで使えて当たり前
音声認識10年前はスマホすら出始めだった「Hey Siri」「Alexa」で
AIと会話するのが一般的

いずれも「AIのおかげで実現した技術」ですが、普及すると「当たり前の機能」として認識されるようになります。これがAI効果です。

はやたす

G検定でも頻出の概念なので、しっかり押さえておきましょう。

人工知能研究の歴史

人工知能はこれまで「ブーム」と「冬の時代」を何度か繰り返してきました。

時代ブーム主役技術
1950年代後半〜1960年代第1次AIブーム推論・探索
1980年代第2次AIブームエキスパートシステム(知識)
2010年代〜第3次AIブーム機械学習・ディープラーニング

それぞれのブームで何が起き、なぜ冬の時代を迎えたのかを理解することが、G検定合格への近道です。

第1次AIブーム(1950年代後半〜1960年代)

できたこと
コンピューターによる推論・探索の研究が進み、迷路・チェス・数学の定理証明などに成功しました。ルールが明確な問題には強さを発揮できるようになっていきます。

なぜ冬の時代を迎えたか
ルールが明確な「おもちゃの問題」は解けても、現実世界の複雑な問題には対応できませんでした。これをトイ・プロブレム(おもちゃの問題)といいます。

パズルや迷路のような簡単な問題は解けても、現実世界の複雑な問題は解けないこと

「簡単なことはできるけど、実際には使えないじゃないか」という失望から、ブームは急速に冷め、1970年代に冬の時代を迎えます。

第2次AIブーム(1980年代)

できたこと
第1次ブームの反省を活かし、現実問題に役立つAIとしてエキスパートシステムが実用化されました。大量の専門知識をコンピューターに蓄積することで、医療診断・対話システムなどで実際に活用されるようになります。

人間でも、経験3年の医師より経験10年の医師の方が多くの問題に対処できますよね。それと同じ発想です。

なぜ冬の時代を迎えたか
次の3つの問題が壁となりました。

・専門知識を教え込む作業に膨大な労力がかかる
・世の中のすべてのルールを適用することは不可能
・矛盾した情報にシステムがフリーズしてしまう

この問題を知識獲得のボトルネックといいます。

人間が持つ膨大な一般常識をすべてコンピューターに教え込むことは事実上不可能

たとえば「喉が痛い+高熱」という症状だけでも、コロナ・インフルエンザ・ただの風邪など複数の可能性があります。1つのルールに落とし込めない現実の複雑さが、エキスパートシステムの限界でした。

→ 1995年頃、冬の時代を迎えます。

第3次AIブーム(2010年代〜)

できたこと
機械学習・ディープラーニングが実用化され、現在のAIブームの基盤が確立されました。画像認識競技での圧勝や、囲碁AI「AlphaGo」が人間のプロ棋士に勝利したことがブームに拍車をかけています。

第3次ブームを支えた3つの技術

技術概要
ビッグデータインターネットの普及により大量のデータを集めやすくなった
GPU演算リソースの性能が向上し、膨大な情報を高速処理できるようになった
ディープラーニング特徴量を自動抽出できる高性能アルゴリズムが開発された

この3つを人間に例えると、「良質な食事(データ)がたくさんある」「それを消化する体力(GPU)がついた」「頭脳(ディープラーニング)も良くなった」という状態です。3つが揃ったことで、AIは飛躍的に進化しました。

生成AIの登場(2010年代中頃〜)

第3次ブームはさらに進化し、画像・音楽・文章を生み出す生成AIの研究が活性化されます。

中でも注目されたのが大規模言語モデル(LLM)です。自然な文章を生成できるLLMの登場により、ChatGPTのような専門知識がない人でも実用的に使えるAIが誕生しました。

一部の専門家はこの生成AI時代を第4次AIブームと呼んでいます。

G検定基礎の人工知能編まとめ

この記事では、人工知能の基礎知識を次の5つに分けて解説しました。

テーマポイント
人工知能とは明確な定義はないが「人間と同じような知的処理を
コンピューターで実現する技術」が一般的な解釈
ロボットとの違い人工知能=ソフトウェア(脳)
ロボット=ハードウェア(身体)
4つの分類レベル1(制御)→レベル2(古典AI)→レベル3(機械学習)→レベル4(ディープラーニング)
AI効果AIでできることが普及すると
「当たり前」に見えてしまう人間心理
研究の歴史3度のブームと冬の時代を繰り返しながら進化してきた

G検定ではこの章から頻出問題が出題されます。特にAI効果エキスパートシステム知識獲得のボトルネック第3次AIブームを支えた3技術はしっかり押さえておきましょう。

G検定に合格するための学習ロードマップ

基礎知識が整ったら、次は試験対策に進みましょう。

「どの参考書を使えばいい?」「どの順番で学習を進めれば効率的?」という疑問にまとめて答えたのが、次の記事です。

→ 【10日間で合格】G検定の学習ロードマップ4ステップを徹底解説

忙しいビジネスマンでも最短10日間で合格できる学習手順を、ステップごとに解説しています。本記事で人工知能の基礎を理解できた方は、ぜひ続けて読んでみてください。

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